夜勤後に髪がパサつく原因と改善法|現役看護師の実践ルーティン

ルーティーン

はじめに

夜勤明け、鏡に映る髪がいつもよりゴワついて見える・ツヤがない・まとまらない――そんな違和感を感じたことはありませんか。私自身、年齢を重ねるにつれて「夜勤のダメージが髪に残りやすい」と強く実感しています。
本記事では、現役看護師としての経験をもとに、なぜ夜勤明けは髪がパサつくのかを科学的にかみ砕いて解説し、すぐ真似できる実践ルーティンを時系列でご紹介します。読み終えたときに「今日からやれる」と思える内容にしました。


結論

  • 夜勤明けのパサつきは【睡眠不足/脱水・電解質不足/空調乾燥・摩擦/紫外線・汗・塩分】の複合ダメージ。
  • 改善のカギは【事前の仕込み保湿】【移動中のUV&摩擦対策】【帰宅後の低刺激リセット】【ドライ前の油水分バランス調整】。
  • 1回の特別ケアより、小さな習慣を積み重ねるほうがツヤが戻ります。

夜勤明けにパサつく4つの原因

① 睡眠不足による“修復タイム”の短縮

髪と頭皮は睡眠中に血流が回復→ダメージ修復が進みます。夜勤で睡眠が浅い/短いと、キューティクルの整いが悪くなり、手触りが一気に低下します。
補足ですが、髪のダメージ修復が最も高い時間帯は、成長ホルモンが分泌されやすい22時〜2時と言われています。休める時はこの時間帯に就寝につくのが最もいいと言われています。

② 体内の脱水と頭皮血流の低下

勤務中は水分摂取が後回しになりがちです。軽い脱水は頭皮の血流・皮脂分泌のリズムを乱し、毛髪内部(コルテックス)からの水分喪失が進み、パサつきに直結します。

③ 空調乾燥・帽子やマスク紐の摩擦

病棟の空調は乾燥しやすく、静電気や摩擦を助長します。ナースキャップやキャップ類、マスク紐がこめかみ〜耳後ろの髪に局所的な擦れダメージを与えます。

④ 紫外線・汗・塩分のトリプル刺激

退勤時は日差しが強い時間帯。UVはキューティクルを酸化させ、汗の塩分はキューティクルの浮きを固定化しがち。ベタつくのに仕上がりは乾いて見える“矛盾”が起きます。


現役看護師の「時系列ルーティン」

“夜勤前→勤務中→退勤→帰宅後→就寝→起床後”の流れで、ムダなく整えます。

夜勤前(仕込み:2分)

  • 【頭皮保湿ミスト or ブースター】を根元に軽く塗ります。→乾燥予防&フケ対策
  • 毛先〜中間に軽いミルク or 乳液タイプのアウトバスを“薄く”。→水分をキャッチする土台を作る。
  • 結ぶなら耳より低い位置でゆるく。→摩擦&牽引ダメージを最小化。

勤務中(ゼロ秒〜30秒の小ワザ)

  • 休憩で手洗い後、手に残った水分を毛先に軽くなじませる→一時的に静電気を抑える。
  • 可能なら500〜1000mlの水+電解質を分割で。→脱水→パサつきの連鎖を止める。

退勤〜通勤(外ダメージ対策:30秒)

  • 外に出る前に髪用UVスプレーを全体にサッと吹き、表面は手ぐしでならす。→ムラを防ぎ、ツヤの見え方が向上。
  • 風が強い日は低摩擦のヘアゴムで一束に。→絡まり=物理ダメージを回避。

帰宅後(ダメージリセット:10分)

  1. ぬるま湯予洗い(1〜2分)
     汗・塩分・皮脂酸化物の7割はお湯で落ちます
  2. アミノ酸系シャンプーで“地肌を指の腹で”。
     ゴシゴシ不可。泡は毛先に勝手に流す程度でOK。
  3. コンディショナー or トリートメントは中間〜毛先に。
     粗めコームで数回とかす→流すキューティクルを整列
  4. タオルドライは挟むだけ(摩擦レス)。
  5. アウトバス2点使い
     - 濡れた直後:**ミルク(保水)**を薄く
     - 乾かす直前:**オイル or クリーム(保護・ツヤ)**を極少量
  6. ドライヤーは“上から下へ”+最後は冷風
     キューティクルの“うろこ”を閉じて固定します。

就寝(ナイトケア:習慣)

  • シルク or 低摩擦の枕カバー寝返り摩擦を半減
  • 濡れ髪で寝ない(水膨潤状態は最も傷みやすい)。
  • 入眠前90分はカフェイン控えめ→睡眠の深さ=修復力に直結。

起床後(仕上げ:1分)

  • 乾いた髪の表面に極少量のオイルを手のひらで温めて“手ぐし”。
  • 静電気が強い日は微量のミスト→手ぐしうるおいとツヤを復活。

アイテム選びの“成分・仕様”の目安

  • シャンプー:アミノ酸系(例:ココイル〜、ラウロイル〜)、弱酸性、高脱脂でないもの。
  • トリートメント加水分解ケラチン/加水分解シルクセラミド様成分(CMC補修)ヒートプロテクト成分(ドライヤー熱で皮膜形成)。
  • アウトバス
     - ミルク=保水ベース(グリセリン等)で内側ふっくら
     - オイル/バーム=保護・ツヤ(シリコーンや植物油)で外側つるん
  • UV:SPF表示があるヘア用。ベタつかないミスト/スプレータイプが夜勤明け向き。

食事・水分・サプリの実務ポイント

  • 水分:夜勤中は合計500〜1000mlをこまめに(持病があれば主治医の指示を優先)。
  • たんぱく質:1食に手のひら1枚分を目安に(卵・魚・鶏・納豆)。
  • 脂質オメガ3(青魚・えごま・亜麻仁)を意識。18-MEA類似の脂質補給にも寄与。
  • ビタミン・ミネラル:B群・C・亜鉛。サプリは不足補填の補助として。

週1〜2回の“集中リカバリー”

  • 湯船で5〜10分→トリートメント温熱で浸透を高める。
  • 頭皮用美容液で1分マッサージ血流↑→ハリ・ボリューム感に寄与。
  • 月1の毛先ダストカット:枝毛・絡みの連鎖断ち切り

これだけはNG

  • 高温ドライヤーを至近距離で当て続ける。
  • 濡れたまま就寝(水膨潤+摩擦=最悪の組み合わせ)。
  • タオルでゴシゴシ/硬いブラシで無理にとかす。
  • 汗・塩分を放置して外出や仮眠を繰り返す。
  • その日のダメージを、強い洗浄や大量のオイルで力技、補正しようとする。

Q&A(現場でよく聞かれること)

Q. 夜勤明けは洗う?寝てから洗う?
A. 汗・塩分・UVを一度リセットしてから寝たほうが、翌日の手触りが段違いです。体力が厳しい日は予洗い+コンディショナー流しだけでもOK。

Q. ドライシャンプーだけで済ませてもいい?
A. 応急処置としては◎。ただし塩分・スタイリング残りは落ちないため、その日のうちに一度は水洗いを。

Q. 年齢とともにツヤが戻りにくい…
A. 皮脂・CMC脂質の減少が背景にあります。保水(ミルク)→保護(オイル)の二段使いと、低摩擦の寝具で“減点を防ぐ”設計に切り替えましょう。


受診の目安

  • かゆみ・赤み・フケが強い/抜け毛が急に増えた
  • 接触皮膚炎(かぶれ)や脂漏性皮膚炎の疑いがある
  • セルフケアを1〜2カ月続けても改善が乏しい
    → 皮膚科での評価・治療で悪化スパイラルを早めに断つことができます。

終わりに

夜勤明けのパサつきは、生活リズム・環境・物理刺激が重なる複合ダメージ。
だからこそ、事前に仕込み、移動で守り、帰宅後にやさしくリセット、寝具で摩擦を減らし、翌朝に整える――この小さな積み重ねが最短ルートです。
今日の夜勤明けから、予洗い→低刺激シャンプー→ミルク→オイル→冷風仕上げだけでも始めてみてください。ツヤの戻りを、きっと実感できます。

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